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規約について

今回のお題は、個人客からの依頼を引き受ける際の取り決めについて。旅行業で言えば、約款みたいなものでしょうか。ちなみに、今年「も」旅行業務取扱管理者試験を受けるつもりでしたが、締め切りを逃してしまいました。来年こそは。

予約確認書

個人客とのガイド契約を確定させる書面です。私がガイドを請ける際には、まず見積書を作成して相手方と行程の確認をし、それについてOKをもらったら「Booking Confirmation」を発行し、それにサインをもらうことによって契約を結ぶことにしています。

この確認書の中には、「各自で事前に旅行保険に加入しておくことを強く勧めます」と書いてあります。責任逃れですねw まあ、ガイドの度に保険に加入することは(イベント保険など)難しいので、各自で加入してもらうしかないのが現状です。何か良い保険があれば、紹介していただきたいところです。

その他項目

・連絡先

WhatsApp・LINE・Facebook Messenger・Skypeなどのテキストを送る機能の付いたアプリケーションの番号を教えてもらい、小さな変更や事前の連絡に使用します。また、当日はぐれてしまってもこれがあれば容易に再会できます。

・食べ物の好き嫌い/アレルギー

これを事前に知っておくことで、昼食場所を事前に決めておくことができます。特に西洋人の中にはヴェジタリアンやヴィーガン、さらには「セリアック病」という深刻な場合もあるので、これらを事前に把握しておくことはとても重要です。

実際にこれまでにセリアック病の方を累計3名案内したことがあります。全員が「TAMARI」という小麦粉を使わない醤油製品を携行していたため、なんとか切り抜けることが出来ました。できればグルテンフリーの食事場所を押さえておけば安心ですけどね。こちらではまだ見たことがありません。

・サイン

また、「各種条件を読み、理解し、受諾します」とも記述しており、これにサインをもらうことで、後からの苦情を防ぐようにしています。といっても、これまで条件に関する苦情は一回ももらったことはありませんが。そらー、明朗会計・かゆいとこまで手の届くサービスを提供しているわけですから、ミスが発生しない限りは苦情は発生しないでしょう。(自画自賛)

「各種条件」について

・支払方法

ガイドツアーの当日に現金支払いか、PayPalを使っての事前支払いを採用しています。これを書面で選択してもらいます。PayPalの良いところは、事前にお金をもらっておくことでキャンセルの際に痛手が小さくなることです。幸い、これまで事前支払い後にキャンセルになったことはないです。ただし、PayPalに4%少々の手数料を引かれるのが難。リスクヘッジとして、その代金はしょうがないですけどね。

また、クレジットカードでの支払いは出来ないか、という質問もたまにあります。これに対応するためにSquareというスマートフォンやタブレット端末でクレジット決済の出来るアプリの導入をやりかけましたが、ドイツの客さんに「クレジットカードは決済後にすぐキャンセルすれば入金されないリスクがあるよ」とのアドバイスを受け取って、考え直しました。確かに、現場でカードでの決済ではあまり旨味がありません。事前に決済してもらうことに対して、数㌫の代金を支払うわけなので。

というわけで、当面は現金とPayPalの二段構えで行きます。

・キャンセルについて

キャンセルはたまに発生します。自然災害や天候によるもの・身内の不幸・仕事の都合などが、これまでに起こったキャンセルの理由です。まれな事由としては「(前日になって)やっぱり他の場所に行きたい。料金はいくら?えっ、何その料金?じゃあ行かない。」というのがありました。これは契約の締結後で催行日の前日なので、私の規約によれば50%をいただくことになりますが、現実問題として請求しても取り立てる術がありません。請求もしませんでした。なので、こういった場合にはPayPalが活きてくるわけです。というか、「契約」ば何て思っとっとや、と言いたい。

逆に、こちらからキャンセルすることもあります。主な理由は荒天です。豪雨や台風の際には間違いなくこちらからキャンセルをします。安全第一です。ゼロ災でいこう、ヨシ!
可能な場合は日程を再調整して後日行うこともあります。

これは、数年前に屋久島の宮之浦岳に登った際の経験に基づいています。ガイドを雇って宮之浦登山を計画したのですが、折しも台風が接近しており、前夜にはすでに雨風が吹き荒れて「明日は確実に催行はないだろう」と安心して、ユースホステルに泊まっていた私は、他の欧州人宿泊客らと深夜二時まで飲み続けました。ところが朝四時に起こされ、ついには宮之浦岳の山頂まで行ってしまいました、疲労と酷い二日酔いに加えて荒天の中を。

あの状況では、間違いなく「中止」が最良の判断だったはずです。私の二日酔いに関係なくね。彼は良い反面教師として、今日の私の業務を支えています。

 

ルーティン化

というわけで、タイトルの「規約」というところから脱線しながらの投稿でしたが、皆さんの為になったら幸いです。面倒くさそうな作業ですが、ルーティン化してしまえばある程度コピペで済みます。

Booking Confirmationはエクセルでテンプレを作り、それをコピー(Ctrl+CのあとにCtrl+V)して、客の氏名・催行日・目的地・支払金額などを記入したものを、テンプレの文章で送ります。メモ帳などに張り付けておいて、それをコピペです。もちろん、その他の文章は手書きで加えますが。基本文はPlease find attached the “Booking Confirmation” file and ~という具合に。エクセルファイルに加えて、エクセルが見られない人のためにPDFファイルも同時に添付しています。

ちなみにですが、この“Please find attached the file”という表現は必須です。文法的には妙にしか見えませんが、倒置を起こしているとかで、これはググれば解説しているサイトがたくさん見つかります。

あと、記入してもらうエクセルファイルの空欄以外は「セルのロック」「シートの保護」、さらに着色を施しましょう。これによってどこに記入してよいかが一目で判りますし、金額などを改訂される恐れもなくなります。

以下がその見本です。

まあ、以上のことはマッチングサービスなどを使っているガイドさんには殆ど関係ないでしょうが、そういったサービスを用いずにピンでやっているガイドさんには、着目してもらいたいところです。

Trip Advisor 2

今回は私がどのようにトリップアドバイザーの評価を貰っているかをお話しします。

ガイディング

まず、ガイドとしてナイスであり、ガイドの内容が気に入ってもらえることは言うまでもありません(自画自賛)。

ガイドはお客さんが観光を楽しむためのツールであり、それを最大限引き出すための“黒子”なわけです。明るく、フレンドリーで、他言語(自分の場合は英語)が話せて、数々の質問に答えることができ、かつ色々な要望や難題に対処できる能力が求められます。更に加えるならば、ケガや病気に備えておくことも重要です。私は常にファーストエイドキットを携行しています。また、上級救命講習を受講しています。

更なるサービス

その上で、私はガイド中にお客さんの写真を各地・各所で撮影し、それをGoogle Driveなどのクラウドにアップロードしてそれを後日お客さんと共有することで、満足度を高めています。写真のうち、日陰だったり暗所だったりで仕上がりの悪い物はPhotoshop Camera Rawで修正しています。下の二枚の画像を比べると、下の画像の陰部分が少し明るくなっているのが確認できます。

Adobe Creative Cloud

Adobe Creative Cloudを使えば、Photoshopの他にIllustratorPremiere Proなど、自身のサイトを彩って集客に繋げることも可能です。私は時間が余っているときには動画編集の真似事もやって、お客さんに編集した動画を提供しています。たまにね。ちなみに初年度は月に3,300円ほど、次年度からは約5,400円/月です。

Google Drive

ご存知の通り、Googleが提供するクラウドストレージです。初期設定での容量は15GBですが、有料で容量を増やすことができ、私は2TB/月(1,300円)を追加購入して写真をアップロードしています。

Google Driveの便利な点として、ここでアップロードしたファイルを共有する際に、共有された側はGoogleアカウントの有無を問われないことです。リンクを持っている人は誰でもフォルダにアクセスでき、画像・動画を観たりダウンロードすることが出来ます。そのためには、共有の際に「リンクを知っている全員が編集可」にチェックを入れる必要があります。

Dropbox

こちらの利用者もかなり多いですが、お客さんの中にはあまり課金しての利用をしている人はいないようです。以前はこれを使用してお客さんと写真を共有していましたが、相手方のストレージ(容量)がすでに一杯ということがよくあり、現在は解約しました。月に1TBで1,200円ほどです。

OneDrive

Microsoftが提供するこのストレージは、Office365を購入すればついでに1TB付いてきます。ExcelWordはもちろん業務でよく使いますので、ノートPCとデスクトップPCに加えてスマートフォンにインストールしています。さらにSkypeで月に60分の無料通話が出来るので、海外に電話をするときもこの60分内で利用できます。たまにドイツの旅行会社に掛けることがあるので、元が取れています。ただし、かけられる相手国(固定電話・携帯電話)に制限がありますが。

トリップアドバイザーへのコメント依頼

そしていよいよ共有しても良い写真が揃ったら、そのリンクと共にお客さんにメッセージを届けます。Google Driveの場合は、共有設定からメッセージとリンクを送ることが出来て便利です。

その中で、That would be much appreciated if you would (could) leave a comment about the tour on TripAdvisor. と添えてTAへのリンクを貼っておくと、満足度の高かったお客さんはコメントを残してくれます。

これはミスですが、ついこないだまで日本語版にリンクしていたため、日本語の読めないお客さんはコメントを書く方法がわからなかった、ということがありました。なので、前回の投稿にある言語設定を行って、英語版が表示されるようにしておきましょう。

https://www.tripadvisor.com/Attraction_Review-g298213-d12715992-Reviews-Tourism_Gokanosho-Kumamoto_Kumamoto_Prefecture_Kyushu.html

さあ、これを地道に積み重ねていけばお客さんからの依頼が増えていく可能性が高まります。これを書いている最中にも一件の問い合わせが来ました。少なくとも東京オリンピックが開催される2020年までは好機です。しっかり需要を掴んで稼ぎましょう!

これまでの実績
これからの予定

色々な問題でこのサイトの管理画面にログインすることが出来ず、かなりの期間が空いてしまいました。ガイド業務は変わらず行なっています。いつも通り阿蘇・高千穂を主とし、別府やくじゅう地域などの遠隔地も行って来ました。詳しくは英語版のサイトのまとめをご覧ください。

現在、主力となっている客層はシンガポールで、その割合は圧倒的です。理由としては、シンガポール人の観光意欲が旺盛で、現在日本への旅行がシンガポール内で注目を集めているそうです。また、シンガポール人は旅行後にその内容が良かったら、仲間内で口コミやSNSを通じて情報交換を行なって次回の旅行のための準備をするとのこと。

客数と稼働日の合計が一致しませんが、それは一組のお客さんを複数日に渡ってガイドすることもあるためです。特にドイツの場合はベルリンの旅行会社から受注しているため、複数日のガイドが多くなります。また、複数の組を同日にまとめてガイドすることもあります。

3月・4月が強いのはガイドにとって一般的な傾向でしょうが、5月が弱かったのが反省材料です。6月は梅雨時期に関わらず、豪雨にあたることがなくキャンセルが発生しなかったのが幸いしました。

7月の現時点でのガイドは、14稼働日の予約・問い合わせを貰っています。8月はまだ数日分しかないので、これからの追い込みが必要ですね。9月・10月はドイツからの依頼で埋まってきていますが、まだ個人客の依頼が入ってきていないので、英語版のサイトの内容強化及び広報を進めていく必要があります。

五家荘という辺境に居住している以上、ここでの観光を進めていく必要があります。また、生まれ育った八代市にはクルーズ船が定期的に停泊するようになってきたので、八代市を中心とした観光を進めていくのが使命だと思っています。

以下の写真は八代のクルーズ船からのお客さんと行った着物着付け体験です。

通訳案内士の仕事 1

大変遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
2017年はあっという間に駆け抜けていきましたが、大変実りのある年となりました。2015年4月に40歳を目前にしての個人事業主としての開業。しかも特に裏付けなし。「為せば成る!」とばかりに始めた通訳案内士の仕事が、昨年ようやく形になったきました。

1月4日より、通訳案内士法が改正され、資格なしでも通訳案内が合法化されたということで、これから状況も色々と変わってきそうです。特に旅行会社の方々はおおっぴらに安いガイドが使えるようになってお喜びのことかもしれません。私も生き残りをかけて自分なりにノホホンとやっていきたいと思います。
というわけで、今回から「通訳案内士の仕事」と題して業務の方法や仕事の取り方や普段の暮らしなどを書いていこうかなと。これからガイドを始める方々の参考になれば幸いです。

ガイドの仕事

まず、通訳ガイドの仕事についてです。
通訳ガイドのことを、「外国語をペラペラ話して外国人を応接する華やかな仕事」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、私の意見では通訳ガイドにとって一番大事な仕事は、お客さんに安全に日本での観光を楽しんでもらうことです。それを支えるために該当の外国語を用いるわけです。外国語は飽くまで手段に過ぎません。

それに付随して、日本の歴史・伝統・文化・慣習・生活習慣などを織り交ぜながら観光地や観光地に行くまでに説明を行い、日本のことをより深く知ってもらうことで日本の滞在をより価値あるものへと高めるというのが、通訳ガイドを雇ってもらった付加価値というものだと思います。そのために決して安くない料金を頂いています。

というわけで、通訳ガイドの業務としての比率はいわゆる「添乗員業務」が大きく、それを遂行するための能力というものが外国語の通訳能力よりも大きく求められるものだと思います。つまり、この仕事は「通訳」というよりも「ガイド」なのです。

ガイドの業務形態

私を含めて周りのガイドの皆さんは、個人事業主としてガイドの仕事を行っている方々が多いようです。他にも旅行会社に勤めながら従業員として通訳ガイドの業務をする方、それから主婦で家事の合間にする方などがあるようです。特にガイド業を始めてすぐには簡単に仕事が取れないので、副業として始めるか十分な貯蓄がないと難しいとこがありますね。

しかしながら、嫌な上司や社長の下で働かなくていいというのはかなりの利点です。どこにでもいるでしょ?理不尽な上司は。なぜあのような輩が存在するのかがわかりませんが、ともかく俺はそういう世界から離れたくて仕方がなかったのと、十代のころに「英語を使った仕事をしてみたい」というのがモチベーションとなって、個人事業主としてガイドの仕事を選んだわけです。

・個人事業主

・旅行会社などでの勤務

・主婦(しかしこれも個人事業主になりますかね)

あとは、定年退職した方々が退職後の仕事や趣味として行うこともあるそうです。報酬を受け取り業務として行っている方々は歓迎ですが、“趣味”として無料もしくは極端に低い価格で行う方々に対しては批判的な見方を取らざるを得ません。私のようにガイド業で生活をしていこうという人がこれまでもおり、これからもインバウンドの盛況でガイドになろうという人たちの営業の妨げになるからです。

ガイドの依頼の取り方

通訳ガイドとして業務を始める時に、まず一番の肝となるのがこの項目です。いくら英語がうまくて案内が上手であったとしても、そもそもお客さんからの依頼がなければその類稀なる能力も発揮できないでしょう。

まずは服を脱ぎます。そしてガイドの依頼がどこから・誰から・どのようにして来るのかを考えてみましょう。ポク・ポク・ポク・・・チーン。来ません!裸の男に仕事の依頼なんぞ来るはずがありまっせん。

では、服を着てください。そしてそのほかに何が必要か考えていきましょう。日本への個人旅行を考えている人がどうやって訪れる予定の土地を調べるのか、それは勿論インターネットですよね。ということは、そこで「tour guide kumamoto」と検索された時に引っかかるように仕向けなければいけないのです。釣り糸も垂れていないのに魚は取れません。

そのために考えられる手段としては


・自分のウェブサイトを作る

・TripAdvisorなどの観光サイトでガイドとして紹介される

・マッチングサービスを行っているサイトに登録する

・旅行会社から仕事をもらう

などがあります。私は上記の上2つを実行しています。基本的に「人に雇われて仕事をしたくない・ヘーコラしたくない」という強い理念のもとにこの仕事をしているので、マッチングサイトには登録してません。が、手っ取り早く仕事を得る手段としては最速なんじゃないでしょうか。もちろんある程度の手数料を差し引かれます。
ウェブサイトを立ち上げても、それですぐに問い合わせが来るわけでもありません。作ったばかりのサイトはGoogle検索で「普通では見つからないほどの」後ろのページにしか表示されないからです。誰でも、興味のあることを検索した時には1ページ目に目を通してそこでお目当てのサイトが見つかったら2ページ目にはいかないでしょ?そういうわけで、このサイトを1ページ目に表示させる、出来ればその上部に表示させるというのが必須となってきます。

サイトをGoogle検索ページの上位に表示させる方法としては色々とあり、ここで簡単に説明できることではないので「SEO対策」でググってみてください。

旅行会社とのつながりを作ってそこから仕事をもらうという方法については、私は日本の旅行会社から仕事を依頼されて請け負った経験がないのでここでは何も書けません。
高学歴かつ人から尊敬の眼差しで見つめられるような職に就いていたという方なら、旅行会社と渡り合って仕事を請け負うというのも大有りだと思います。特に「スルーガイド」という、団体を相手に・複数の観光地を・複数日に渡って仕事をするという、オイシイ仕事がもらえることもあるようです。まあ、それなりの実績がないと依頼されないとは思います。

日本の会社とは繋がりはなくとも、海外の会社と直接契約を結ぶ方法もあります。私は幸運にも熊本県の外国人観光客誘致事業に関わる機会があったので、そのつながりでドイツ・オーストラリアの旅行会社からガイドの仕事を定期的に受注しています。

日々の勉強

お客さんと観光地を訪れる中で、色々な話題について話すことが多くあります。日本全般の話題をはじめとして、その土地ならではの伝統・慣習などについても言及する機会も出てくるでしょう。通訳案内士の資格を取った方ならば、日本全般の歴史・地理・一般常識については最低限踏まえているはずですが、それぞれの土地までカバーするとなるとさらに勉強する必要が出てきますし、それには書籍やネット上だけではできないこともあります。つまり、足を運んで自ら調べるしかないのです。そのための時間も必要になりますし、費用も掛かります。

さらに、これらの日本の事柄と海外各国の違いが判ると、会話の中に活かすことができます。日本の何がその国と違うのか、例えば日本の大学生は在学中に就職の内定を取るのが一般的ですが、海外の多くの国では卒業後にゆっくり休暇を取ってから仕事を見つけることも多くみられる、、、等々。よその国に行っての楽しみの一つは「違いを楽しむこと」にあります。その違いをこちらから教えることで、お客さんには「ああ、日本にいるんだなあ」感を楽しんでもらえます。

また、最新のニュース(国内・国外)にも目を通しておくことで、お客さんとの会話にも支障をきたすことなく、ガイドとしての信頼度向上に繋がります。

まとめ

差し当たって簡単に通訳ガイドについて書きなぐってみました。これから細部の説明に移って行こうと思いますので、どうぞお楽しみに。

クルーズ船でやってくる中国人観光客

こんにちは。

朝夕はめっきり涼しくなって、ようやく寝付きやすい環境になって来ました。ここ五家荘では。都市部ではどうでしょうか?

さて、今回は今までのガイドの内容とは違って、いわゆるインバウンドの話をしたいと思います。

中国人観光客の訪日事情

これまでの状況

私が暮らす熊本にも、かなりの数のクルーズ船が来港して外国人観光客を見かける機会が格段に増えてきました。まあ、昨年の熊本大地震以前でも熊本城や阿蘇では多くの中国人観光客を見かけましたし、繁華街の下通りではいわゆる爆買いをする光景も目にしました。

たとえば、ドラッグストアで風邪薬や目薬をガバっと大量に買い物かごに入れ、2万円弱分購入していたのが印象的でした。果たして、購入したものが何なのか分かっていたのかどうか…。

昨年から本格的に始まった八代港へのクルーズ船来港で、観光バスに乗った中国人観光客が大挙して観光地を訪れるのを見る機会が増えてきました。もちろん、このクルーズには韓国・東南アジア各国・西洋の乗客もいて、それぞれに熊本での観光をしているようです。その中に、私を見つけて連絡を取り、ガイドとして雇ってくれる人もいるわけです。ちなみに、中国人から直接連絡を受けた経験は未だありません。(旅行会社を通じて、この秋にガイドをすることにはなっていますが)

八代港へのクルーズの来港

今年は合計60~70隻のクルーズ船が八代港に停泊することが予想されており、大部分のツアーがキャンセルされることなく順調に催行されているようです。八代港は熊本県内では唯一このような大型客船を受け入れることの出来る港です。熊本県貿易総額の45%を担うなど、物流の拠点として重要港湾の指定を受けています。また、増大するクルーズ船の寄港に対して熊本県の支援の下、更なる整備が予定されているとのことです。

八代港周辺

ただし、地震以前のように阿蘇山上を観光する姿は、クルーズ船でやってくる観光客に限ってはほとんど見かけません。滞在時間が限られており、立ち寄る時間がないためだと見られます。なので、熊本城周辺や水前寺成趣園に集中しているようです。クルーズ船の寄港は早いもので主に午前7:00からですが、そこから入国管理の手続きで乗客が船を下りるまでには40分~1時間ほどかかります。

八代港に停泊する大型客船

主要なクルーズ船の乗客数は3,000~4,000あるので、これらがすべて大型バスに搭乗するとして必要な台数は100~130台に上ります。これらのバスがすべて出発してしまうまでは2~3時間もかかってしまいます。初動の早いバスに乗る方々はゆっくりと観光が出来ますが、出発の遅いバスに乗る方々は、各所で滞在時間が取れず弾丸ツアーになってしまうことでしょう。

中国人観光客を乗せるために港に集まった大型バス

乗客に加えて、船の運行や条約へのサービスを提供する乗組員が1,100名ほどいるとのことです。これは莫大な運営費が掛かる悪寒。

中国人観光客が行う“ツアー”とは

クルーズに掛かる費用

このような大型客船でのクルーズは、3泊4日から5泊6日の旅として設定してあることが多く、その料金は1泊1万円から設定されています。十分な寝室に、船内レストランで毎食が用意されているばかりでなく様々なアトラクションが無料で提供されています。1泊1万円/人という料金設定なのに、至れり尽くせりです。もちろん、いくつかは高額の対価を払って受けるサービスとのことです。実際にクルーズ船に乗ったことがないので、すべて伝聞ですが。

Royal Caribbean 社の参加者募集ページより

この価格設定でも運営会社が利益を出せるのは、もちろん根拠があります。この低価格のツアーに参加する旅客は、中国の旅行会社が手配する大型バスに乗って決まったルートで観光する必要があります。そして、その大型バスのルートには必ず中国人資本によって経営される、日本製の電化製品・美容品・健康食品・時計・装飾品が販売されている店舗が入っています。

八代港への到着が早朝だった場合には、まず熊本市内での観光(熊本城・水前寺成趣園)を済ませてから、こういった“専用店舗”へと連行されて買い物をする機会を強制的に与えられます。もちろん、乗客にとって買い物をするのは義務ではありません。あくまで、立ち寄るのが義務なだけです。こういった場所は、把握しているだけで3宇土・松橋・八代の3か所存在しています。

“爆買い”の遷移

以前はよく報じられた“爆買い”は、現在では中国当局による関税率の増によってかなり落ち着いたとの見方がありますが、じつはこれらの店舗内ではまだ存在しています。店舗内では“日本製”の表示がなされた日本製とみられる製品が陳列され、中国人観光客の購買意欲を煽っています。一説によると、中国人は自国内での“日本製”を信用しておらず(中国では偽物が多く流通しているのが一因)、日本国内で販売される“日本製”こそが本物の日本製製品という信仰にも似た考えがあるためです。Made in Japan は、高性能製品のシンボルとして中国人にも高い評価を得ているようです。

観光をしない観光バス

クルーズ船の中には、港への到着時間が午後になるものもあります。たとえば午後2時に来港した場合、入国管理に40分から1時間かかるとして、最初のバスが出発できるのが早くても午後2時45分になります。順調にバスが出て行き、16時過ぎになって港を出発したバスがあったので、追跡してみました。

国道方面へ向かうので、てっきり高速道路で熊本へ向かうと思いきや、そのまま国道を北上。途中でコンビニに立ち寄り、トイレ休憩と簡単な食品・飲料を購入していたようです。バスはそのまま国道を北上し、宇土で左折して県道を南下。そしてその目標は松橋にある「中国資本によって経営される買い物専用店舗」だったのです。

左折して買い物専用店舗に入る観光バス

ここは以前は地元のスーパーマーケットだったのですが、何らかの理由によって閉店してしまい、それからしばらくして中国資本によってこのような形態で開店した模様です。

ここは基本的に日本人は立ち入り禁止になっており、入り口ではセキュリティのチェックが行われていました。ま、そこをやり過ごして潜入。中は各所に監視カメラが設置されており、「撮影禁止」の貼り紙が見られました。どうやら情報を持ちかえられたり日本人によるスパイ行為を警戒しているようです。さすがにこの状況ではびびってしまい写真を撮ることは出来ませんでしたw

店内に潜入

買い物専用店舗前に屯する観光客

店内には家電・美容品がまず入り口付近に配置され、押しかけた観光客が列をなしており、その手には買い物かごいっぱいの商品と何枚もの一万円札が握られていました。これは、中国人による福沢諭吉の認知度が爆上がるだろう…、という感慨はもちろんなくw、中国人の購買力とそれを自在に操る中国人ビジネスメンの手腕に脱帽しました。

早く出発して観光に入って来たであろうバスと、遅れてクルーズ船から直接やって来たバスが続々と駐車場に入ってきて店内に観光?客が入ってくるにつれて、他の客に先に取られまいとする感情のせいか、どんどんと買い物かごに商品を入れる人の割合が高まってきたように見られました。初期は、まだあまり買い物熱が高まってなかったのか買い物かごが空のまま店内を見て回る人が多かったのですが、時間が経つにつれ上記のような状況に変化していきました。

店内はまさにアニメのサザエさんで見られた「バーゲンセールでの取り合い」に近い状況が繰り広げられていたのです。

参考画像 図A

需要が需要を呼び経済の好循環を招くという、かつての日本で見られた光景がここに繰り広げられているとは。ちなみに、見る限りは熊本の特産品はあまり芳しくない売れ行きでした。

夜になってもバスが続々と
買い物は続く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜になっても、さらにバスが駐車場になだれ込んでいました。店内も引き続き好調な販売が続いていたことでしょう。さすがは日本製品。安定の信頼度で中国人バカ売れです。しかし忘れてはならないのが、この店舗は中国資本によって経営されていること。そしてその店舗では現金商売でした。

最近の中国といえば、銀聯カードやスマートフォンでの決済が主流になってきていると報じられているのは皆さんもご存じでしょうが、ここではそれが見られませんでした。現金商売の利点といえば、、、?税金ですね。

また、これまでに判明している事実として、これらのバスの中では中国人ガイドがこの買い物専門店の商品説明を行ない、購買意欲を煽っているようです。それだけなら普通ですが、その説明が事実を誇張した、もしくは嘘の内容であると言われており、その模様はNHKや民放各局によっても複数回報じられています。

また、これらのガイドは買い物専用店舗などから仲介手数料を受け取り、それを収入としているということが言われています。ネット上での話ですが、一本のツアー(7日から10日)での手取りは100万円になることもあるとか。

まとめ

ということで、クルーズ船で来熊(らいゆう=熊本に来る)する中国人観光客の動向は中国資本によってコントロールされていることが明らかになりました。まあ、これがすべてではありませんが、その傾向が非常に強いと言えるでしょう。

この追跡の前に地元旅行会社の方とお話をする機会がありました。日本の大手旅行会社でもクルーズに食い込んで自社の観光商品を売ることが難しく、それが地場の旅行会社となると現状では全くその機会を得る気配すらないとのこと。

外国の旅行会社によって観光客のルートを限定され、日本の旅行会社が外国人観光客の日本での観光ルートを管理できないということは、観光客による消費の恩恵を受けられないということです。

文章が長くなってしまったのでまとめると、中国人が日本を舞台に中国人観光客を相手に荒稼ぎをしている。というのが現状の“中国人観光客の訪日”だと言えます。日本に落ちるべき果実が落ちていない。これには、日本側の対応の遅さも問題だとは思いますが。

これらに対応するためには、中国人観光客に楽しんでもらって喜んで対価を払ってもらえるような商品の開発、そしてそれを潜在的な観光客に発信して到達させるための方策、中国の旅行会社ではなく日本の旅行会社を通して旅行・体験の手配が出来るように、日本の会社による努力に加えて行政による規制緩和・規制強化などの支援が必要だと強く思います。

ただし、日本の観光行政にそれが出来るとは到底思えません。彼らが目指しているのは「2020年までに年間訪日観光客4,000万人の達成」であるため、その質や内容に関して興味があるようには見えないのです。

中国人がどんどん進出して思うさま好きな形態で商売を始めるその一方で、日本人による新規ビジネスの開始については厳しく規制するその姿勢を、早く見直してもらいたいものです。