そして今度はキャンセルが2件

キャンセル祭だ

いちいち報告はしたくないのである。けども

10月上旬にドイツの旅行会社から受けていた予約2件・5日分の仕事が消えた、収入の見込みがなくなった。

これだけで個人的に20万円以上の売上がなくなったわけですよ。コロナ禍開始以降ほとんど本業での収入の無かった俺に、ようやくまともな収入が入ってくると思ってたわけですよ。

日本の姿勢

まあ、これは俺の収入という小さなことだけではなく、

あの男が「機を見るに鈍」という姿勢を貫いているために、日本の観光産業とその中にいる俺は塗炭の苦しみを未だに味わっているわけだ。

岸田総理は今年5月に「G7諸国並みの規制緩和を行なう」と発表した。もう世界の先進各国はとっくに国境を開放して「コロナ後」の経済活性化に重点を置いているためだ。

日本としてはそれにおいて行かれるわけにはいかない。

そして6/10にその “規制緩和” が行われ、まずは団体客が管理された旅程の下での旅行・観光が出来るようになる、と期待されたものの…

実態は入国・旅行のための規制があまりにも厳しすぎて、だれも「日本での旅行を楽しみたい」と思わなかったのである。

団体での旅行が可能といっても、その内情はコロナ感染・拡大を避けるために旅行業者もしくは旅行サービス手配業者による管理の下で行なわれる旅程。おそらくほぼ自由行動をすることは出来なかったのではないか。

この規制を読んで、切望していた8月の日本旅行を泣く泣くキャンセルしたイタリアの方はこう言った。

“なんと悲しいことでしょう。これで2度目のキャンセル。でも観光業にも残念に思います。これを理解することや、あなたが人生と仕事を計画することは容易ではないでしょう。”

“どうか彼ら(日本政府)がすぐに皆を(訪日旅行が出来るようになったと)煽るのを止めますように。”

なぜ日本は国境再開放が出来ないのか

まず、岸田総理が「G7 諸国並みの規制緩和を」と言ったのは、単なる見栄である。G7 の一員に名を連ねる日本としては、同様の対応が出来ないということは先進国として恥ずべきこと、という見栄がある。

なにせ、他6国はすでに「コロナ後」に移行し、国境を開放してるのである。キョロ充ジャパンとしては、最後になったとはいえ早めに世界に追いつきたい。ということで5月の英国訪問中に世界に向けてアピールした。これで世界向けにとりあえず場繋ぎは出来た。

ところが問題は国内向けの政治である。7月には参院選も迫っており、自公政権としてこれに勝つのが至上命題。日本は少子高齢化社会がいよいよ極まってきており、若者は選挙に行かないが年配の多くは行ってくれる。

となればこれまで築き上げてきた自民党のネットワークを活かしつつ、若者向けには中韓に対して強めの姿勢を見せて入れば堂々とした「保守」として格好はつく。というか若者なんて自分たちの利権構造にとっては搾取対象でしかないのでどうでもいいのだ。将来なぞクソ喰らえ。今が大事だ。 Cheers to “making it count”. (hnk)

そこで年配向けの政策とくればコロナ対策。若者の命は昔から「鴻毛より軽し」なので相手にしないでヨシ。貴重な票田の年配は外国からコロナウイルスが入ってくることを恐れているので、これを防ぐためには外国人観光客を入れるなどもってのほか!規制で雁字搦めにして実際には入国出来ないようにしましょ!という方針を固める。

考えても見てください。入国規制の緩和がなされたのは6/10。参院選は7/10。はい、ちょうど 1ヶ月 前ですね。まさに行政の人間が考えそうなことです。

参院選までこの問題を棚上げにしておけば、外国人が訪日して自由に振る舞うことによって起こされかねない(と日本人は信じている)コロナ感染拡大の可能性を潰せる、憂いを断つことが出来るという妙策。外国向けには「規制緩和しましたよ」で時間稼ぎが出来ている。そして参院選に勝ったら頃合いを見て国境開放をやろう、という肚だったのでしょう。

ところがそこへコロナ感染者数の増大、いわゆる第七波の到来によって政府としては外国人を入れる決断が出来なくなってしまった。なぜなら、日本人は「外国人がウイルスを持ってくる」と思い込んでおり、「自分たちで拡大させている」という意識は薄いためです。

「外国からのウイルス流入がなくなればコロナは収束する」という誤った情報・知識を持つ人も割と真面目にいます。比較的年齢層の高いと思われるヤフーニュースの掲示板を見ればそのような書き込みで溢れていました。

註:「収束」を「終息」、つまりコロナウイルスが消滅して平和な世の中が訪れると思っている人はいるでしょうが、それはありません。このような感染力の強いものはずっと残ります。例えばインフルエンザは100年前に大流行したいわゆる「スペイン風邪」の名残です。

抑え込める病気は主に致死率の高く感染力の低いものに限られます。例えばエボラウイルスなど。

世界ではまだ撲滅できていない感染症が多くあり、例えば麻疹は2017年現在でも世界で11万人が命を落としています。

つまり、感染爆発の中で外国人を入れれば感染拡大の責任が政府に転嫁される可能性が大きく、政府としてはこの政策を実行すべきではない、という結論に至るわけです。

実際には、この感染が広まったタイミングこそが訪日外国人観光客への門戸開放にとって最大のチャンスではあります。「外国人がウイルスを持ってくる」理論が間違ってると証明されてるんだから。

そりゃあ一時的に批判も浴びるでしょう。しかし、この第七波が収まってきたタイミングでそれが出来るでしょうか?いや、出来ないですね。「せっかく収まったのに、外国人がウイルスを持ってくる!」と声高に叫ぶ人が出てくるんだから。

日本が永久に外国人の自由な訪日を規制することが出来ると思いますか?自由貿易の構造の中で最大限に恩恵を受けているこの国が?進撃の巨人のような壁を建設して黄昏の楽園を築きますか?

それこそオワコンですね。そのような国と世界は付き合っていかないでしょう。

世界と付き合っていけないとどうなるか?更なる衰退は免れんでしょう。日本を訪れたいと思っていた潜在的な旅行者は、他の国へと関心を移し始め、規制だらけの国に投資をしたい・ビジネスをしたいと思う投資家・企業は現れなくなってくるでしょうね。

また、それを判断・決断できない日本の政治がまったく理性的・知的でなく政治家に力が備わっていないと見られることは避けられない。民主主義制度をとる日本でその政治家を選ぶのは…?

今回の国境開放の遅れの背景には、それほどの意味があると思います。ただ単に「コロナ怖い」という近視眼的な感情で語るべきではないということ。

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