規約について

今回のお題は、個人客からの依頼を引き受ける際の取り決めについて。旅行業で言えば、約款みたいなものでしょうか。ちなみに、今年「も」旅行業務取扱管理者試験を受けるつもりでしたが、締め切りを逃してしまいました。来年こそは。

目次

予約確認書

個人客とのガイド契約を確定させる書面です。私がガイドを請ける際には、まず見積書を作成して相手方と行程の確認をし、それについてOKをもらったら「Booking Confirmation」を発行し、それにサインをもらうことによって契約を結ぶことにしています。

この確認書の中には、「各自で事前に旅行保険に加入しておくことを強く勧めます」と書いてあります。責任逃れですねw まあ、ガイドの度に保険に加入することは(イベント保険など)難しいので、各自で加入してもらうしかないのが現状です。何か良い保険があれば、紹介していただきたいところです。

その他項目

連絡先

WhatsApp・LINE・Facebook Messenger・Skypeなどのテキストを送る機能の付いたアプリケーションの番号を教えてもらい、小さな変更や事前の連絡に使用します。また、当日はぐれてしまってもこれがあれば容易に再会できます。

食べ物の好き嫌い/アレルギー

これを事前に知っておくことで、昼食場所を事前に決めておくことができます。特に西洋人の中にはヴェジタリアンやヴィーガン、さらには「セリアック病」という深刻な場合もあるので、これらを事前に把握しておくことはとても重要です。

実際にこれまでにセリアック病の方を累計3名案内したことがあります。全員が「TAMARI」という小麦粉を使わない醤油製品を携行していたため、なんとか切り抜けることが出来ました。できればグルテンフリーの食事場所を押さえておけば安心ですけどね。こちらではまだ見たことがありません。

サイン

また、「各種条件を読み、理解し、受諾します」とも記述しており、これにサインをもらうことで、後からの苦情を防ぐようにしています。といっても、これまで条件に関する苦情は一回ももらったことはありませんが。そらー、明朗会計・かゆいとこまで手の届くサービスを提供しているわけですから、ミスが発生しない限りは苦情は発生しないでしょう。(自画自賛)

「各種条件」について

支払方法

ガイドツアーの当日に現金支払いか、PayPalを使っての事前支払いを採用しています。これを書面で選択してもらいます。PayPalの良いところは、事前にお金をもらっておくことでキャンセルの際に痛手が小さくなることです。幸い、これまで事前支払い後にキャンセルになったことはないです。ただし、PayPalに4%少々の手数料を引かれるのが難。リスクヘッジとして、その代金はしょうがないですけどね。

また、クレジットカードでの支払いは出来ないか、という質問もたまにあります。これに対応するためにSquareというスマートフォンやタブレット端末でクレジット決済の出来るアプリの導入をやりかけましたが、ドイツの客さんに「クレジットカードは決済後にすぐキャンセルすれば入金されないリスクがあるよ」とのアドバイスを受け取って、考え直しました。確かに、現場でカードでの決済ではあまり旨味がありません。事前に決済してもらうことに対して、数㌫の代金を支払うわけなので。

というわけで、当面は現金とPayPalの二段構えで行きます。

キャンセルについて

キャンセルはたまに発生します。自然災害や天候によるもの・身内の不幸・仕事の都合などが、これまでに起こったキャンセルの理由です。まれな事由としては「(前日になって)やっぱり他の場所に行きたい。料金はいくら?えっ、何その料金?じゃあ行かない。」というのがありました。これは契約の締結後で催行日の前日なので、私の規約によれば50%をいただくことになりますが、現実問題として請求しても取り立てる術がありません。請求もしませんでした。なので、こういった場合にはPayPalが活きてくるわけです。というか、「契約」ば何て思っとっとや、と言いたい。

逆に、こちらからキャンセルすることもあります。主な理由は荒天です。豪雨や台風の際には間違いなくこちらからキャンセルをします。安全第一です。ゼロ災でいこう、ヨシ!
可能な場合は日程を再調整して後日行うこともあります。

これは、数年前に屋久島の宮之浦岳に登った際の経験に基づいています。ガイドを雇って宮之浦登山を計画したのですが、折しも台風が接近しており、前夜にはすでに雨風が吹き荒れて「明日は確実に催行はないだろう」と安心して、ユースホステルに泊まっていた私は、他の欧州人宿泊客らと深夜二時まで飲み続けました。ところが朝四時に起こされ、ついには宮之浦岳の山頂まで行ってしまいました、疲労と酷い二日酔いに加えて荒天の中を。

あの状況では、間違いなく「中止」が最良の判断だったはずです。私の二日酔いに関係なくね。彼は良い反面教師として、今日の私の業務を支えています。

 

ルーティン化

というわけで、タイトルの「規約」というところから脱線しながらの投稿でしたが、皆さんの為になったら幸いです。面倒くさそうな作業ですが、ルーティン化してしまえばある程度コピペで済みます。

Booking Confirmationはエクセルでテンプレを作り、それをコピー(Ctrl+CのあとにCtrl+V)して、客の氏名・催行日・目的地・支払金額などを記入したものを、テンプレの文章で送ります。メモ帳などに張り付けておいて、それをコピペです。もちろん、その他の文章は手書きで加えますが。基本文はPlease find attached the “Booking Confirmation” file and ~という具合に。エクセルファイルに加えて、エクセルが見られない人のためにPDFファイルも同時に添付しています。

ちなみにですが、この“Please find attached the file”という表現は必須です。文法的には妙にしか見えませんが、倒置を起こしているとかで、これはググれば解説しているサイトがたくさん見つかります。

あと、記入してもらうエクセルファイルの空欄以外は「セルのロック」「シートの保護」、さらに着色を施しましょう。これによってどこに記入してよいかが一目で判りますし、金額などを改訂される恐れもなくなります。

以下がその見本です。

まあ、以上のことはマッチングサービスなどを使っているガイドさんには殆ど関係ないでしょうが、そういったサービスを用いずにピンでやっているガイドさんには、着目してもらいたいところです。

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