The Net
「リモートワーク」が話題になってますな。
職場に通う道のり、そして職場内でのCOVID-19(新型コロナウィルス=英語では「コウヴィドナインティーン」)
に感染および感染拡大する危険性を鑑みると、自宅でPCを用いて仕事が出来る職種であれば「リモートワーク」に踏み切ろう。という結論に至るのは至極真っ当なことでしょう。そのために、安全性や機能を満たしたPCの需要が高まってるとのことです。
また、仕事や学校が休みになり、不急不要の外出を避けるということは自宅で過ごす時間が増えるということ。その自宅で過ごす時間の中に、この現代生活ではネットが大きな割合を占めてくるんじゃなかでしょうか。実際、YouTubeのトラフィックが15%の増、Netflixが16%の増という調査が出ています。
今のテレビはネットの視聴も出来るようになっており、実際うちの息子もネット漬けです。こらあかんばい、とは思いながらもこうやって俺の自室で何かをやっとる間には、息子は居間でYouTubeかNetflixを視聴しよります。まあ、最近はレゴに夢中になってくれとるのが幸いですが…。
ラップトップPCの性能強化
リモートワーク用に、急に自分でPCを用意しろと言われた方も少なからずいるかもしれません。もし、そういった場合に費用を掛けずに済ませたい場合には、ネットオークションなどで販売しているPCの構成を見定めて購入するか、ちょっと格落ちでも格上の部品に換装することにより、必要十分な構成に仕上げることも簡単にできます。
ラップトップPC(いわゆる“ノートPC”)で、動画視聴の際やOfficeなどの表計算・文書作成ソフトなどを同時に立ち上げた時にカクカクするなどの現象が起こる場合には、そのPCの性能不足が考えられます。(インターネット回線の速度が遅いことも原因の一つに挙げられます)
性能不足の原因
・CPUの型が古い、もしくはCeleron(セレロン)やPentium (ペンティアム)といった低性能のもの |
・メモリ(memory/RAM)が不足している |
・ストレージがHDDである |
もしすでに所有しているWindows 10のPCがあって、その性能を確認したい場合には下記を参照してください。
Ctrl + Alt + Del を一度に押して、 「タスクマネージャー」を選択する。項目が少ししか表示されていない場合は、「詳細(D)」をクリックして詳細表示に切り替え、上のタブから「パフォーマンス」を選ぶ。そこにCPU・メモリの詳細が表示されています。 ストレージの詳細を見るには「ディスク」をクリックします。 |
以下に、それぞれの解決方法を述べていきます。
CPUについて
CPUは「中央演算処理装置 (Central Processing Unit)」のことで、PCの頭脳に当たります。ここの性能が足りないと、様々なソフトや動画視聴、または動画編集などの高度な作業が出来ません。
CPUを世界的に製造・販売するメイカーは Intel (インテル)とAMD (エイエムディー)があり、デスクトップ用とラップトップ用のCPUがあります。デスクトップ用のCPUをラップトップに使用はできませんし、その逆も同様です。(例外的にデスクトップ用のCPUをラップトップに装備した高級ゲーミングPCもあります)
ラップトップ用のCPUはデスクトップ用のものに比べて機能が抑えてあります。これは、CPUというのは多くの処理を要求されたときに周波数が高まることにより発熱しますが、ラップトップPCの小さい筐体では冷却・排熱の効率が悪いために、性能を落としてその発熱自体を抑える必要があるためです。
デスクトップPCに用いられる筐体(ケース)は、十分に大きくて排熱用のファンを複数付けることができ、CPU及び他の部品が過熱するのを防いでくれます。
夏場など高温の環境で高熱での作業を続けると、PC自体が自らが壊れるのを防ぐためにシャットダウンしてしまいます。
昔、低機能のCPU(Celeron)を搭載したラップトップPCでゲームをやっていたら、そんな目に遭ったことがあります。
ラップトップPCは、デスクトップPCと違ってCPUの交換が難しい作りになっている物が多く見られます。なので、中古PCを購入する際には、まずCPUを基準に選ぶのがいいでしょう。
個人的には、過去にラップトップPCのCPU交換をしたことがありますが(Core 2 Duoの上位への交換でした)、LenovoのPCは比較的その作業がしやすかったと思います。作業がしやすいPCであるかどうかは、メイカーやPCのグレードにもよります。
安いPCは一般的に言って、メンテナンスがやりにくいというか、使用者が自らPCの部品を換装することを前提としない作りになっていることが多いと思います。
CPU交換については、YouTubeにいくつも動画が挙げられているので、それを参考に出来ます。が、いろいろと注意することが多く、PC自体をダメにしてしまう危険性も孕んでいます。
逆に、現在俺が使っているゲーミングPC、Alienware m17 なんかは部品の交換を前提としていない作りで、裏のフタを開けて再び閉めるのでさえ苦労しました。
Officeを使いながら他の作業も並行して行う際に、処理が遅れることのないCPUは、Intelで言えば Core i5 が必要でしょう。
多くのPCに搭載されている(されてきた)IntelのCPUのグレードは下記のように構成されていて、2008年のCore i シリーズ発売から今年まで10世代に渡って改良・発売が続いています。が、実は第3世代以降、劇的な進化を遂げてこなかったのが実情。
AMD が Intel に対抗できるCPUを開発できず、ライバルが不在だったために殿様商売をしていたと批判されています。
しかしながら現在、多くのラップトップPCにはIntelのCPUが搭載されています。ちなみに俺のPCにはCore i7 8750Hが搭載。
CPUの種類
名称 | 概要・用途 | 商品名の例 |
Core i9 コアアイナイン | 最上位。ゲーム・ゲーム配信や動画編集などの高度な作業に用いられる。 | 10980HK 9980HK 8950HK |
Core i7 コアアイセブン | ゲームや動画編集まで可能な上位グレード。様々な作業を同時にこなせる。 | 9750H 8750H 4810QM 3830MQ |
Core i5 コアアイファイブ | 動画視聴・表計算ソフトを複数同時使用しても処理が遅れない。 | 8550U 6300HQ 3210M 2670QM |
Core i3 コアアイスリー | 動画視聴・表計算ソフトやネットの閲覧などの同時作業が出来る。 | 8130U 7100U 3110M 2330M |
Pentium ペンティアム | 動画視聴やネットの閲覧を同時にこなせる。 | Pentium 4225Y Pentium B970 |
Celeron セレロン | あまり複数の同時処理は期待できない。 | Celeron N4100 Celeron T3000 |
CPUの詳細な性能が知りたい場合は、下記のサイトを確認してみてください。
https://pcfreebook.com/article/458775622.html
加えて、CPUを全世界的に製造販売するブランドはもう一つあって、AMDのRyzenシリーズです。最近はこちらの方が高機能・低価格を売りに、Intelよりも多くの支持を集めています。
デスクトップPC用では圧倒的にこちらが売れており、ラップトップPCにもこれからより一層搭載されるでしょう。近頃発表された4900HというCPUは、現在使用されている多くのデスクトップ用のCPUよりも高性能というとんでもない製品です。余談ですが、俺のデスクトップにはRyzen 3900Xという高機能のCPUを積んでいます。
RAM(メモリ)について
RAMとは Random Access Memory の略で、通常は「メモリ」と呼ばれます。「メモリー」と伸ばしてもよかです。
RAMは、作業台や机に例えられます。机が大きいと、より大きな作業が出来ますし、余ったスペースがあれば複数の作業も同時に出来ることになります。
Windows 10になって、要求されるRAMの量も増加しました。一応、4GBでも動きはしますが、複数の作業(エクセルで入力しながら音楽を聴き、ネットの閲覧も行う)を行うとなると、難しいかもしれません。いくらCPUが高性能でも、ここが2GBや4GBではその性能を発揮してくれません。
そこで、RAMは8GBは欲しいところです。一般的には4GBのメモリを2つ搭載することが多く、またその方が処理が速くなるといわれています。高負荷のゲームや動画編集などを行う場合には16GBはあった方がヨカです。
現在ネットオークションで販売されている中古ラップトップPCの多くには、RAMを搭載するスロットが2つのものが多いと思います。そこに8GBを積むとなると、8GBを1つよりも4GBを2つ積むのがいいとされています。
これは「デュアルチャンネル」という仕組みで、簡単に言うと、下の図のようなイメージで、より大きいデータ転送が出来るようになります。
RAMの増設はCPUのそれに比べて、とても簡単にできる場合が多く見られます。しかし注意しなければならないのがRAMの“世代”です。
2007~2012までのPCにはDDR3という規格のRAMが用いられ、その後から現在に至るまではDDR4という規格のRAMが搭載されています。DDR3⇔DDR4の互換性はありません。例えば、2012年に発売されたCore i7 2670Mを載せたPCにDDR4を搭載・増設することはできません。正確に言うと、これはCPUに依るものではなくマザーボードの規格に依拠するものですが。
ストレージについて
ストレージとは、データを保存しておく倉庫です。
OSをインストールする場所でもあり、PCがここにアクセスするのが速いほどPC全体の動作も速くなります。
以前はHDD(Hard Disk Drive = 通称ハードディスク)が主流でしたが、今はSSD(Solid State Drive)に取って代わられつつあります。数年前まではSSDはHDDに比べて高額だったのが、普及に伴ってかなり価格が落ちてきました。
はっきり言ってSSD一択です。選択の余地はないと断言できます。HDDは中でディスクが回って、そこに記録されたデータを読み込みに行くという物理的な動作があり、それが読み込みの時間を発生させていましたが、SSDはそのような機構を持っていないので高速に加えて高耐久力も期待できるという優れもの。落下させてしまう可能性のあるラップトップPCには正にうってつけ。
電源投入してからPCが使えるまでに掛かる時間、それに様々なソフトウェア(アプリ)を使用する際の反応の良さ、データを転送するのに掛かる時間が別次元の速さを見せます。エクセルのファイルを開くときなんかでも、段違いの速さですよ、マジで。
ただし、SSDにはSATA接続とPCIe接続(≒ NVMe)のものがあるので注意。ただ、現在中古販売されている多くのラップトップPCを買うとなると、ほとんどがSATA接続のSSDなので問題ない思います。
もし、中古のPCのHDDをSSDに換装するとなると、間違ってPCIeのものを買わないように。SSDはその容量が大きいほど、その速度が高くなるという特性があるので、写真や動画を保存する必要があれば500GBや1TBのものを選ぶといいでしょう。必要がなければ、250GBくらいでヨカです。
はっきり言うと、中古のラップトップPCを購入する際に最も大事なのが、このSSDです。 CPUが少し古かろうが、メモリが少し足りなかろうが、HDDをSSDに交換すれば、PCの性能はグン!と向上します。 |
HDD → SSD の換装のやり方も、YouTubeに動画がたくさんあります。
OS
OSとは、Operating System のことで、簡単に言うと「PCを動かしてくれるもの」です。これが入っていないと、PCは動いてくれません。
Windows と Mac (マッキントッシュ)が世界中で最も使われているOSで、一般的に言ってWindows が一般ユーザーに、Mac がデザインやWeb開発などによく使われます。
販売されているほとんどのPC(一般的な名称として)には、Windows か Mac が最初から入っていて、その分販売価格に上乗せされています。
一般的な用途だと、Windows でヨカです。
Windows には世代があって、現在多く使われているのは
Windows 7 |
Windows 8 |
Windows 8.1 |
Windows 10 |
の4つがあり、10が最新です。
ただし、Windows 7 はMicrosoftによる更新が終了しており、インターネットに繋いで仕事に使用するには危険性があります。なのでWindows 10 にアップグレードする必要があり、それは無料で実行できます。もちろん、Win 8 や 8.1 からも同様にアップグレードできます。
方法については、ネットで検索すれば簡単にできると思いますが、仕事で中古PCを使用するにあたって重要なのは
Win 10 をクリーンインストールする
ことです。
中古で購入した PC が汚染されている危険性はゼロではありません。そのような PC を使用することは、仕事に使うデータを悪用される危険性を孕んでいます。
購入時に既に Win 10 が入っていようがなかろうが、まずは Win 10 をクリーンインストールしてPC を真っさらにすることで、PC をウィルスやバグから守ることが重要です。
クリーンインストールを行うためには、16GB以上の容量のUSBメモリか、DVD-Rが必要です。
それから、クリーンインストールを実行すると PC 内にあるすべてのデータ(ファイル)が消えるので、もし既存の PC をクリーンインストールする場合は、事前にデータを外付けの HDD や SSD 、もしくはデータ量が少なければ USBメモリや DVD などに移してから行いましょう。
まとめ
差し当たって、第2世代・第3世代Core i5以上のCPU・SSD・8GBのRAM を搭載しておけば、家での作業も快適に出来ます。もちろん、この他にもPCの性能や作業に関する項目はありますが、まず着目すべきはこれらではないかと思います。
以上を満たす性能のPCを、ネットオークションで信頼の出来る売り主から買うか、少し見劣りするものでもあとから上記の性能強化を行えば、格安でPCが調達できます。俺は今まで所有・購入したラップトップPCの最初と最後を除く5台は、この方法で調達してきており、何の問題もなく使用してきました。
オススメは、行政や企業がリースで使用した PC のリース期間終了後に中古市場に放出されたモノです。俺もその流れで2台(A550/A と A572/F)をそれぞれ2万円以内で購入出来ました。
農業をやっている両親に、メールで配信される売上の確認やエクセルでの簡単な計算が出来るように数年前に調達したものです。なお、現在も使用出来ています。
ただしそれらは性能が低かったので、HDD → SSD に、そしてメモリを4GB → 8GB に、Win 7 → Win 10 に増強した結果、画像編集や簡単な動画編集までなら可能な性能にまでなったわけです。
SSDは 500GB のものが Amazon で9,000円ほど、RAM は 8GB (4GB×2)が 4,000円ほどで販売されています。これらを活用することで、限られた予算の中でも仕事での使用に耐え得るラップトップPCを入手することが出来ます。
しかしながら、そういった中古PCは経年劣化により各部品に問題を抱えている場合があります。特にバッテリーがへたっていて、充電が十分に出来なかったり電源に接続していないと使用できないなどの例が挙げられます。
もちろん、資金に余裕があれば新品を買う方が保証もついて来たりと特典があるわけですが、この状況の中で短期の納品が出来ない場合があるそうです。
割と端折ってリモートワーク(テレワーク)のための中古ラップトップ調達について説明してみましたが、これが皆さんのお役に立てば幸いです。