先日の話ですが、久々に熊本城見学に行ってきました。そういえば、大天守が一般公開されてから未だに行ったことがなかったのだった。
入場
二の丸駐車場から入場券を購入して「正門」経由で入城。二の丸券売所に行列が出来ているようなら、北口券売所で買った方が人が少なくて早く買えます。北口は二の丸駐車場からそのまま入城して順路通りに行けばあり、入場券の確認はその直後で行なっています。
この日は日曜だったこともあってか中学生・高校生の団体の姿を多くみる。その数は時間を追うごとに増えてゆくのだった。どうやら複数の学校の修学旅行がここを訪れているようで、国内観光のある程度の復活が見て取れたのが嬉しかった。
西南の役を生き延び、現在まで築城当時の姿を留める宇土櫓(改修は度々なされている)は、先の大地震からの傷が未だ癒えておらず、痛々しい姿をさらしている。
この宇土櫓は「櫓」と名付けられてはいるものの、天守として見たとしても立派なもので、オリジナルの構造を残しているのは非常に価値が高い。
ドイツ人客をここに案内して “pass auf deinen kopf auf” というドイツ語のフレーズを覚えました。意味は “watch your head” ということ。宇土櫓内は梁や天井が低い箇所が多く、特に身長の高い人の割合が高いドイツ人にとっては頭をぶつける可能性があるので、事前に注意しておく必要があった。
そして久々に大天守・小天守を見上げる。雄壮に反り返る武者返しがむしゃんよか。(むしゃんよか=「かっこいい」の熊本弁)
そして入城口側からもしみじみと眺める。どうやら修学旅行の一団が入城を開始したようなので、次の一波が来て混雑する前に入城。
城内
以前の城内はガラスのショーケースに様々な遺物が陳列されていたが、現在は壁面に直接描かれた説明文・画が主になっている。地震が起きた場合に観覧者に被害が及ばないように考慮されたものだろう。
城内の移動は階段で。エレベーターもありますが。ちょっとこの表記は気になった。というのも、right には「右」という意味のほかに「正しい」という意味もあるためだ。漢字を理解しない客がこのイラストでどういう意味にとるか。出来るだけ簡潔に、という意図は取れるとですが。
まあ、構造上と人の流れで右側を歩くんだなということは自然と理解できるんでしょうが。といいながら逆行している日本人客数名を見かけた。
大天守最上階
そしていよいよ大天守の最上階へ。
以前はここに来るたびに収入が発生していた…という思いもこみ上げながら熊本の街を見渡す。2016年の大地震の後もしばらく客が入らない状況を経験したが、今回は規模が違う…。
そういえば、2016年4月14日の昼にはガイドでこの熊本城を訪れていた。もしあれが夜ではなく昼間に起こっていたら、無事ではなかったかもしれない。
熊本城は焼失という苦難を乗り越えて再建され、皆に愛されて名城の称号を得るに至ったということを胸に刻む。
余談
城内での英語表記にも指摘をしたが、場外でも気になる箇所があった。
複数形の toilets にしてしまうと、「便器」感が出てしまうように思う。知られた話ですが、一般的な話としてイギリスではトイレのことを toilet と言い、アメリカでは bathroom と言います。他にも色んな言い方はあるばってんね。
で、アメリカで toilet というと「便器」という直接的な意味になるんで避けられるとか。つまり↑の写真のように複数形にすると「便器群」とでもいうような意味合いが強まるのかと。
school みたいに概念的なものだけん、 toilet という単数形でヨカと思います。んでもう一つ。
ここでいいたいのは「小便ば便器外にこぼさんごつ、もう一歩前へ」ということだろうから、つまり “one more step forward” が適当かなと。
これに関わった人からすれば「細かこつば言うな」と思われるかもしれんですが、我々通訳案内士をこういうとこに活用してくれれば将来にわたって外国人からも評価されますよ。
一番大切なのは、意図を理解してもらって目的を達成すること。