筆不精記 2

American Multi-Cinema Inc

米国株式投資を始めて10か月目。現在の保有銘柄である AMC を購入して3か月半。購入して3週間で12ドル→72ドルへと急騰。金融資産が大幅に増えて喜んだ俺でしたが、その株価は6月に60ドル台を横ばいで推移したのちに7月には短期間の40ドル台を経て30ドル台に落ち込み、そのまま30ドル台のレンジが一ヶ月以上続きました。

普通の銘柄と異なり、業績で株価が決定されているわけではないこの会社の株は、市場で不正な価格操作を続ける大手機関投資家 対 市場の公平性と透明化を望み、かつ超富裕層からの富の移転を目指す個人投資家の戦いによってその価格が変動しているのが特徴です。

一時的に28ドル台まで押し込まれた時にはさすがに精神状態も悪化しましたが、この戦いは浮動株の80%を買い占めてしまった個人側の勝利がすでに濃厚なのであります。これを保持出来れば個人側の勝ち。それに対してヘッジファンドを中心とする機関投資家は様々な揺さぶり(偽情報を流したり、大規模な空売りを仕掛けたり)をかけて個人所有の現物を手放させて株価を落とし、その下落した株価で空売り分を買い戻そうという狙い。

しかしながら自らを Ape (類人猿=握力の強いゴリラに喩えている)と呼称する個人投資家は株を売らずに耐え続け、ついに8/24(米国東部時間 = EST)の市場で30ドル台を打破し、時間外取引終了時点で46.20ドルにまで回復。

そして8/31には48ドルを窺う展開を見せて、この執筆を再開した9/2時点では44ドル前後で推移しています。

 

規則改正による影響

これは、米証券取引委員会(SEC = U.S. Securities Exchange Commission)等の段階を踏んだ規則改正によって段々と不正な価格操作ができなくなって来ていることも大きいところ。8/24からは「株を借りずに行う空売りの禁止」が改めて規則として確認され、さらに9月からは口座ごとの証拠金の引き上げ要件が続きます。

SEC 委員長の Gary Gensler は最近になって Twitter アカウントを開設。価格操作などの不正に目を光らせている、とのツイートを繰り返しており、世界経済の中心である米国市場での不正を許さない姿勢を見せています。これも後押しになっていると。

MOASS

Apes が目指すのは、MOASS = Mother Of All Short Squeezes と呼ばれるもので、現在ヘッジファンドによる不当な空売りによって価格操作されてきた AMC や GME をはじめとする銘柄たちのその空売り分が買い戻され、“本来の”株価が反映されることです。

また、それによって機関投資家・ヘッジファンドが行ってきた不正を撲滅し、市場に公平性と透明性をもたらすと共に、人口比で1%にも満たない超富裕層によって吸い取られてきた世界の富が、この運動の参加者に移転されるという、素晴らしく反逆的でロックな運動です。

現在約410万人の Apes がこれに加わっているとされ、日本人がそれに占める割合はとても小さなものでしょうが、この運動に加わっているだけでワクワクするし、成功した暁には凄まじい高揚感に包まれることと期待しとります。